先日の日曜日、午前2時から原生林に入りました。
今年から新たに始まった夜間の野鳥調査のためです。満月で思ったより明るい夜でした。
ヨタカやコノハズクの声を聴くことができました。
今回うれしかったのは、調査前夜にオオコノハズクの声を教えてもらったこと。一声だけでしたが独特の声を聴くことができました。
4時頃には早くも明るくなり始め、小鳥たちが一斉に囀り始めました。それにしてもこの原生林は広いなあ。残念なのは下草がほとんどなく、全体に乾燥化が進んでいること。
5時過ぎにはいつもの調査地点に入り、調査を開始しました。
夏鳥はオオルリ、キビタキは多かったですが、アカショウビンは個体数が少なく遠くで鳴くのみでした。留鳥は繁殖真っ盛りで、巣立ち雛も観察できました。特にミソサザイの6羽の兄弟は一見の価値ありでした。かわいかったなあ・・・。
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なお現在、この原生林への立ち入りは厳重に管理されています。当グループは野鳥調査を
長年継続しているため特別に許可を得て入山しています。
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先ずは植物から。
前回は芽吹いたばかりだったトチノキもすでに葉を広げていました。花も咲いていましたが、全体にまだ咲き始めといったところでした。
今回ひそかに期待していたのはランの仲間。サルメンエビネを久々に観察したいと思っていたのですが、残念ながら確認できず。
代わりにみつけたのはこの葉っぱです。花茎が伸びてきていますがまだ花は咲いていません。葉の感じではトケンランではないかと思います。3か所で10株程度確認できましたが、花茎が出ていたのはこの株だけでした。
さてこの日たくさん咲いていたのはテンナンショウの仲間。少なくとも数種類はあったと思うのですが、勉強不足で識別点が判っていません。アシウテンナンショウだけでも勉強しておくべきでした。最近はアシウテンナンショウはヒロハテンナンショウと同じものとされているようですね。次回までに調べておこうと思います。
野草の花は全体に少なくてフデリンドウ、クワガタソウ、タニギキョウ、ミズタビラコ、サワハコベ、イワカガミ(咲き残り)、ギンリョウソウくらいでした。
フデリンドウ。今年の初見、びっくりするぐらい小さいです。
クワガタソウ。これも小さな花ですね。
次はキノコ。春にもキノコは発生するのですが、雨が少なく乾いているためかあまり出ていませんでした。オオワライタケ、オオチャワンタケなどを観察できました。
オオワライタケ。初めて見ました。
次は昆虫。
期待していたのはムカシトンボの産卵でしたが、♂1のパトロール飛行のみでした。その他に観察できたトンボはシオヤトンボとアサヒナカワトンボ、ニホンカワトンボだけでした。この2種の識別には注意が必要ですが、この地域のアサヒナカワトンボ♂は無色翅、ニホンカワトンボ♂は橙色翅だったと思うので、♂なら間違えないハズです(笑)。
チョウは春先のコツバメ、スギタニルリシジミがまだ元気に活動していました。アゲハの仲間も増えて、ウスバシロチョウは最盛期でミヤマカラスアゲハも飛んでいました。
スギタニルリシジミ。♀かな。翅表は擦れて青みがほとんどありませんでした。
ウスバシロチョウ。気温が高いためか飛びまわるばかりでしたが、なぜか地面に止まってくれました。吸水しているようでもなく・・・?
アサヒナカワトンボ♂。葉の上で縄張りを張り、近くに別の個体がくると追いかけていました。
以下は、危険?な生き物ですので嫌いな方は見ないでくださいね。
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爬虫類は、アオダイショウ、シマヘビ、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ。
両生類は、イモリ、タゴガエル、モリアオガエル、カジカガエル。
アオダイショウ。水面に映った緑とアオダイショウの緑がかぶって面白い感じになりました。
タゴガエル。喉下の模様で識別しました。
今回は深夜からほぼ14時間の調査でした。面白いけど、翌日の仕事にヒビクのは確実です(笑)。